第7回 我々が共有する価値観(6) 「挑戦」
代表取締役 青木 正紀
アオキグループには5つの「我々が共有する価値観」があります。
・信用 すべての関係者に感謝し、信頼される仕事をする。
・誠実 お客様の立場で考え、真心をつくす。
・挑戦 向上心と情熱をもち、進化し続ける。
・協働 理念を共有する同志として、協力し助け合う。
・堅実 利益を最大化させ、公正に還元する。
今回は「挑戦」についてお話しします。
挑戦というのは、今までやったことはないけどもアオキにとって大切なことであればチャレンジしてみようということです。
チャレンジしてみて、アオキにとって合わないものやお客様にメリットをもたらさないものであればやめればいいのです。しかし、何事もやってみなければ、分かりません。だからとにかく挑戦しなければ未来は拓けないと思っています。
初代はランプの販売を始めましたが、電気が使われるようになると、電球を売るようになりました。でも、売ってみて初めて配線やら取付工事やら苦情処理など、ランプとは違う難しさが分かり、手間がかかる割には商売としての魅力がないと判断したのでしょう。そうして選んだのが、ガラスだったのです。
そのガラスの商売においては、昭和初期に茨城県で一番の特約店になりました。そして、1961年に不二サッシが日本初の住宅サッシを発売し、その2年後の1963年に特約店契約を結びました。
それから60年たった今では、ガラスよりもサッシの売上が多くなっただけでなく、サッシ以外の開口部商品が大きな売上を占めています。
もし、ランプにこだわっていたら、もしガラスにこだわっていたら、今のアオキはありません。
3代目も、ガラスがパレットによる大量配送方式が始まる際に、有力販売店様にクレーンを設置できる倉庫を建てるように説得しました。そうすることによって、販売店様はメーカーからパレット単位で入荷することができるようになります。すると、価格が安くなり、工務店様への納期も短くすることができるようになったのです。
やったことがない事業に挑戦するというのは、大きな可能性がある一方で、リスクもあります。しかし、そこで逃げていたのでは、時代と共に衰退していってしまいます。
私自身の経験で言うと、ガラスの切断加工やペアガラスの製造を行う工場への投資を進めた時のことです。
何しろ、資本金の5倍の投資案件です。そんな大きな投資はそれまでしたことがない上に、製造業という未知の分野への挑戦です。幸いにも、社長だった父も、専務の叔父も「やってみろ」と背中を押してくれました。
知らないことや、様々な障害があって苦労もしましたが、そんな難題を一つ一つ乗り越えていくプロセスは、非常に楽しかったです。工場を始め、多くの社員の頑張りによって、今ではアオキにとって基幹事業に発展しています。
創業者から2代目、3代目、4代目の私に至るまでの歴史を振り返ると、成長を手に入れるには、もっと上を目指したいという向上心とあらゆる苦労を克服しようという情熱をもつことが不可欠だということが改めて分かります。
そして情熱をもつと、人間はワクワクして楽しくなるものです。だから、誰かに「挑戦しろ」と言われてやるのではなく、自発的にやることが情熱という熱い感情が体の中に湧いてきます。
そして、一度向上しても、それに満足することなく、次の課題に挑戦し、やり遂げる。これを繰り返すことで我々は進化し続けるのだと思います。
現状に満足してしまうと、進歩はありません。企業経営という大きなことだけでなく、仕事のやり方にも同じことが言えます。業務処理も大型コンピューターの時代ではなく、今は、Webやクラウドの時代ですし、これからはAIを積極的に取り入れていかないと取り残されていくと思います。
時代が変わっていけば、仕事のやり方も変わらざるを得ません。ねじり鉢巻きして神様にお願いしてからやるなどいう精神論的なことではなく、現状をきちんと把握し、問題点を見つけ、改善・改革をしていくということを当たり前の状態にしたい。
そういう思いがあって、「挑戦 向上心と情熱をもち、進化し続ける」という項目を加えたのです。