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第9回 我々が共有する価値観(8)「堅実」

代表取締役 青木 正紀

「我々が共有する価値観」も、最後の「堅実」となりました。

・信用 すべての関係者に感謝し、信頼される仕事をする。
・誠実 お客様の立場で考え、真心をつくす。
・挑戦 向上心と情熱をもち、進化し続ける。
・協働 理念を共有する同志として、協力し助け合う。
・堅実 利益を最大化させ、公正に還元する。

「堅実」を最後の項目にしたのには、理由があります。

「我々が共有する価値観」を上から順番に実践していくと堅実な経営が実現できると思ったからなのです。
「信用」は初代が最も重要視した信条でした。商売をするにはお客様だけでなく、地域の人びとの信用を得ること大切だということを身をもって感じたに違いありません。2代目も3代目も「信用」を守り続けてきました。だから私は信用を最初にしたのです。

その信用をいただいた上で誠実に営業する。そして仲間や協力者たちと協働して仕事を行っていくと、堅実な業績を上げることができます。
そして、堅実な経営ができて堅実に利益を得ることができれば、公平に分配することができるようになります。

その「分配」ですが、対象とするのは社員だけではなく、地域も分配の対象なのです。それは税金という形になります。
納税は地域のためでもあり、日本という国のためでもあるのです。業績が上がる、つまり利益が増えれば、収める税金も多くなり、地域への貢献も大きくなります。

事業をしている人の中には「自分の稼いだお金が税金にとられるなんて、バカらしい」と言って、浪費をする人もいますが、私は会社というものは、利益を上げてきちっと税金を納めるべきだと思っています。それが「公器」としての会社が果たすべき役割だからです。

アオキは創業以来、堅実に税金を納めています。そのため、税務署から「優良申告法人」として認定され続けています。(ちなみに認定される企業は1%未満ということです)

会社は法人とも言いますが、法の下の人と書くように、人格を持っていますから地域に貢献できる人格でありたいということなのです。

そのためには堅実に税金を納めるということです。企業が社会の公器である以上は、社会的な責任として税金を納め、地域に還元すべきだと思っています。
それと、会社が利益を出していれば、地域の雇用の拡大にも貢献できます。ですから、利益を最大化することがアオキの社員だけでなく、地域の人びとに公平に還元することになるのです。

ところで、我々問屋には、ファイナンス機能があります。我々のお客様の多くは、中小規模の企業が多く、資金が潤沢にあるわけではありません。時には、資金繰りに苦慮することもあります。そんな時に、我々はファイナンス機能を生かしてその会社の存在を支える役割を担っているのです。もちろん、そのお客様が健全な経営をしていることが条件ですが。

それと、利益は内部留保としてため込むのではなく、投資にも分配しなければなりません。
一般的には「堅実」というと、失敗を避けて大胆なことには挑戦しないという印象があるのではないかと思いますが、それだけでは変化の激しいビジネス社会を乗り切ることができません。

息長く「堅実」を保っていくには、チャンスをつかんでいくことも必要です。ですから、挑戦し続けていかなければ、堅実な成長・発展を手に入れることはできません。
アオキの「堅実」は、長期的に継続的に成長するという意味合いを込めているのです。これは、社員にも共通することです。

以上がアオキの「我々が共有する価値観」です。これを文章化して10年がたちました。毎朝、唱和することで社員の皆さんの頭の中にはしっかり刻み込まれたのではないかと思います。何よりも、その価値観に沿った仕事をする社員が年々多くなっています。これは、アオキ流の考えに染めるということではなく、正しいことを正しく行うということが根付いてきたのだと思います。

成長した社員の姿を見て、アオキの将来は明るいと心から思っています。