第18回 笑い(ユーモア)とチーム力
笑い(ユーモア)は、強い組織を作る際に大きな力となり、組織を一体化させ、チーム力を高めます。
たとえば、「自己や他者を励まし、勇気づけ、心を落ち着かせるユーモア」と定義されている「支援的ユーモア」と呼ばれるものは、EQ(情動知能)と関連が強く、リーダーシップに欠かせない要素だと指摘する専門家もいます。
また、いわゆるムードメーカーと呼ばれる人がいますが、これは「遊戯的ユーモア」と呼ばれ、チーム力を高めるには欠かせない力となります。プロ野球日本ハムファイターズの新庄監督などが代表格でしょう。
新庄さんがメジャー入りする時、決断る理由を、「ニューヨークに行ってみたことないから」と周りを笑わせ、初めてホームランを打ったときも「すごいでしょ?僕」とあどけなく言ったりして、見ているだけで面白いし、周りを楽しませます。
そして、新庄さんがメジャーから帰って日本ハムファイターズに入った後、ファイターズは日本一にもなりました。
強いチームには必ずといっていいほど、遊戯的ユーモアの持ち主が存在します。周りを引っ張り上げ、「社会的促進」に効果を発揮するユーモア。それが、遊戯的ユーモアです。
「社会的促進」とは、「同じ空間に同じ行動をとる者がいることで、個人の課題遂行にプラスの影響が及ぶ現象」と定義されています。
何かのプロジェクトメンバーを選出する際に、多少「使えないな」と思っている部下であっても、“おもろいヤツ”であればメンバーに入れたほうがいいのです。
“おもろいヤツ”がいるというだけで、100%以上の力をそのプロジェクトが発揮する可能性がある、というわけです。
同質の人物ばかりだと、チームとしてのパワーが逆に減衰してしまうことがあります。しかし、異質のメンバーが加わることによって、いわゆる“化学反応”が起き、組織体としてのパワーが高まるのです。