第42回 黄金に焼かれた男
その昔、中国に太陽が昇る「黄金の場所」と呼ばれる場所がありました。そこには黄金がゴロゴロしているのですが、大鳥しか行くことができません。
ある貧しい青年は、その黄金を手にしたいとかねがね考えていました。
その願いが通じたのか、青年は偶然にも大鳥に遭うことができ、こう懇願しました。
「一度だけでもいいから私をそこに連れていってくれないか」
大鳥は青年に言いました。
「いいでしょう。ただし、黄金を見ることができるのは夜明け前のわずかな時間です。しかし、太陽が地底から出てくる前に逃げないと焼け死んでしまいます。私が声をかけたらすぐに私の背中に戻れるかい」
「はい。黄金は少しだけ拾えればいいのです」
と約束した青年は袋を持って大鳥と太陽の地に飛びました。
一面に転がる黄金を見て、青年は興奮して黄金を拾い集めます。
「これで、貧しさから逃れられる!」
そして、袋の底にわずかの黄金が溜まったその時、大鳥が
「戻れ。すぐに私の背中に乗れ!」と叫びました。
しかし、その時、青年の手は大きな金塊をつかんでいたのです。
「これを持って帰れば、もっと金持ちになれる」
彼はその手を引くことができませんでした。そして、彼はその重い金塊を袋に入れたのです。欲望と共に。
その瞬間、大鳥は大空の向こうに飛んで行ってしまいました。
青年は焼けて灰になってしまいました。袋と共に。
中国に「不要成為金錢的奴隸,錢乃身外之物,生不帶來,死不帶去」という言葉があります。
直訳すると、お金の奴隷になってはいけない。財産や功名等は体以外のものであり、生まれるときにはついてこないし、生きているうちにいくら稼いでも死んだら終りという意味です。
