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第43回 馬蹄の鋲がなくて国を失う

1485年、イングランド王リチャード三世は決戦の朝を迎え、迫る敵に備えて宮内官に馬の準備を確認させました。
「急いで蹄鉄をはめろ。王はこの馬で隊の先頭を行かれるのだぞ」

しかし装蹄師は言いました。
「ちょっとお待ちください。兵隊たちの馬に蹄鉄をはめたため、鋲がないのです」
「待てない。残っている分で間に合わせよ」

装蹄師はやむなく作業し、4つの馬蹄を作り始めましたが、3つ目を終えたところで鋲が不足していると気づきました。

「鋲が少し足りません。鉄から打ち出すには時間がかかります」
「待てないと言っただろう。すぐにやれ!」

装蹄師は不十分なまま馬蹄を仕上げました。
リチャード王はその馬で前線へ急行し、逃げ出す兵に「戻って戦え!」と叫びながら進みました。しかし前線の半ばで蹄鉄が外れ、馬が転倒し、王は地面に投げ出されました。馬は驚いて逃げ、自軍の兵も背を向けて敗走してしまいました。敵兵はすでに目前に迫っています。

王は剣を振りながら叫びました。
「馬をくれ!馬を!代わりにこの国をやるぞ」

しかし助けはなく、王はついに敵軍に囲まれて戦いは終わりました。

この出来事から、人々は戒めとして語りました。

「鋲がなくて馬蹄が取れ、馬蹄が取れて馬が逃げ、馬が逃げて戦を落とし、戦を落として国を失う」

ささいな務めをおろそかにすると、大きな失敗を招くのです。