読むサプリ第67回 逃避脳
スポーツの世界では、相手を発奮させるために叱るという行為がしばしば用いられます。「お前はできない、だめだ」と叱りながら意欲を高め、その成果を引き出そうとする指導法はよく行われていることです。新しいことや正しいことを強制的な力をもって植えつけるという意味で、この指導法にもプラスの効果があります。しかしその反面、マイナス作用の方が大きいとしてきされます。
人間には「自分を守りたい」という自己保存の本能があり、しょっちゅう叱られていると、脳は苦しくなって、自身を守るために叱っている人の話を受け流すようになるからです。その結果、困難から逃げてしまう脳、「逃避脳」をつくりだす結果になってしまうのです。
結果を出すことは、ビジネスにおいても、教育においても必要なことです。しかし、結果を出すことを最大の目的にしてしまうと、悪しき成果主義の考え方が生まれ、結果を出さない(できない)と、叱ることになってしまいます。
それが続くと、能力を高めていく習慣や困難を乗り越えるための努力をしなくなってしまう。こうして、「できない」⇒「叱られる」⇒「自己否定する」⇒「逃避脳をつくり出す」という負のスパイラルに陥ることになるのです。
「逃避脳」をつくらせないために、指導者や上司はどうすべきでしょうか。脳神経外科医の林成之氏は、「失敗した理由を一つ一つ丁寧に教え、その具体的な解決策を明確に示してやることです」と言います。
では本人はどうすれば、「逃避脳」から逃れられるのでしょうか。以下の行動を心がけることによって「自己肯定感」を高めることが必要だと林氏は言います。
①常に前向きの思考をする
②何に対しても勉強し、楽しむ気持ちを持つ
③決断と実行を早くする
④感動と悔しさは「宝物」と考え、大切にする
